2025/04/05 18:00
ツーソンジェムショーってどんなイベント?
毎年アメリカのアリゾナ州ツーソンで開催される「ツーソンジェムショー」は、世界最大規模の鉱物・宝石の展示即売イベントです。とにかく規模が桁違い!世界中から鉱物業者、コレクター、研究者が集まり、博物館クラスの標本から、お手頃な鉱物までありとあらゆる種類の標本が並びます。
ただし、「ツーソンジェムショー」とひとくくりに言っても、実は色々なショーが色々な場所で開催されているんです。市内のホテルの一室を利用した展示、コンベンションセンターでの大規模イベント、さらには駐車場やテントで展開されるマーケットまで、数え切れないほどの会場があり、それぞれ特色が異なります。
鉱物標本は本当にお買い得?
「ツーソンに行けば安く買える!」と思うかもしれませんが、実はそれほど単純ではありません。最近は鉱物標本の価格がどんどん上がっていて、さらに円安の影響もあり、日本から行くと価格の高さを痛感することになるでしょう。加えて、個人で趣味として行くには旅費や宿泊費がかなりかさむので、なかなか現実的ではないのが実情です。
実際のところ、会場内にはお買い得なものもあるにはあるのですが、よく見極める必要があります。特に、小売価格がついているものは、むしろ高いことも多いんです。正直、日本の良心的なお店で買ったほうが安いのでは。。。と思うことも多いです。ただ、数十万円以上クラスの標本を買う場合は、標本の品ぞろえも多いし、ツーソンのほうがだいぶリーズナブルと思う場合が多いです。業者向けの価格で購入するには、大量にまとめて買う必要があります。信頼できるディーラーと関係を築く必要があります。また、業者しか入れない会場もあります。
ミュージアム級の標本を楽しもう!
とはいえ、ツーソンジェムショーはただの「買い物の場」ではなく、「世界最高峰の鉱物標本を一堂に見られる博物館」として楽しむのもアリです。実際、多くのブースでは数千万円クラスの超一級品が並んでいて、見るだけでも価値があります。
なので、「ツーソン=安く買える」と思って行くのではなく、「ツーソン=ミュージアム級の標本を楽しむ場所」と考えると、より満足度の高い体験ができるでしょう。
ツーソンジェムショーに行くべき人とは?
もしあなたが本気で鉱物ショップをやるなら、ツーソンは間違いなく行く価値があります。業者価格で仕入れることができたり、ディーラー同士のネットワークを築くチャンスもあります。
一方、個人の趣味で行く場合は、旅費や価格の高さを考えると「買い物目的」よりも「展示を楽しむ」ほうが現実的。特に、「いつか一度は見てみたい!」という夢がある人にとっては、間違いなく一生の思い出に残るイベントになるでしょう。
アメリカに行ったらついでに?
ツーソンジェムショーに行くなら、博物館巡りもセットで!
せっかくアメリカに行くなら、鉱物標本が展示されている博物館にも立ち寄りたいですよね。特にワシントンD.C.やニューヨークには、規模も展示内容も桁違いの自然史博物館があり、鉱物・隕石コレクションも充実しています。
アメリカの自然史博物館は、日本とはスケールが違う
日本で最も大きな自然史博物館といえば、東京・上野にある国立科学博物館ですが、それと比べてもアメリカの博物館は圧倒的な規模を誇ります。例えば:
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スミソニアン国立自然史博物館(ワシントンD.C.)
世界的に有名な博物館で、あの「ホープダイヤモンド」もここに展示されています。鉱物・宝石の展示スペースは広大で、見たこともないような巨大なクリスタルや珍しい鉱物がズラリ。 -
アメリカ自然史博物館(ニューヨーク)
映画『ナイトミュージアム』の舞台になったことで有名ですが、実際の展示も圧巻です。鉱物や隕石のコーナーも見応えがあり、特に鉄隕石の巨大な標本は一見の価値あり。
日本では見られないレベルの標本が並ぶ
日本の博物館でも鉱物標本は展示されていますが、アメリカの博物館では「こんなの本当に存在するの?」と思うような超大型の水晶クラスターや、世界的に有名な産地からの最高級標本が普通に並んでいます。特に、隕石のコレクションは別格で、実際に火星から飛来した隕石や、月のサンプルが展示されていることも。
欧米では寄贈が一般的
こういった博物館のコレクションが充実している理由の一つが、寄贈文化です。欧米では裕福な鉱物コレクターや企業が、自分のコレクションを博物館に寄贈することが一般的。日本では個人のコレクターが博物館に標本を寄贈するケースは少ないですが、欧米では「自分のコレクションを未来の世代に残したい」という意識が強く、多くの素晴らしい標本が博物館に集まるのです。
ツーソンと博物館巡りを組み合わせれば、最高の旅に!
ツーソンジェムショーを訪れるなら、ついでにアメリカの自然史博物館を巡るのもおすすめです。ツーソンで最新の鉱物市場をチェックし、博物館で歴史的な標本を鑑賞する……こんな旅ができたら、鉱物好きにとっては最高ですよね。
ツーソンジェムショーやアメリカの博物館については、また別の記事で詳しくご紹介しますので、お楽しみに!