2025/04/09 18:00

炭素質コンドライト(CM)について

炭素質コンドライト(Carbonaceous Chondrite)は、隕石の中でも特に興味深いタイプです。その中でもCM(Mighei-type)に分類されるものは、水や有機物を多く含み、初期の太陽系の情報を秘めています。今回は、CM炭素質コンドライトの特徴や、その中でも有名なミゲイ隕石(Mighei meteorite)について掘り下げていきましょう。


CM炭素質コンドライトとは?

CM炭素質コンドライトは、特に水や有機化合物を多く含むことで知られています。このグループの隕石は、主に以下の特徴を持ちます。

  • 高い含水率:CM隕石の約10%~15%は水を含む鉱物でできています。

  • 有機物の存在:アミノ酸などの有機分子が確認されており、生命の起源との関連が研究されています。

  • コンドリュール(Chondrule)の存在:直径0.1~1mm程度の小さな球状の粒子が含まれています。

  • マトリックスが豊富:コンドリュールの間を埋めるマトリックス(微細な鉱物の集合体)が多く、そこに水和鉱物が豊富に含まれています。

CM隕石は、母天体で水の影響を強く受けて変質したと考えられており、炭素質コンドライトの中でも特に興味深い分類です。


ミゲイ隕石(Mighei meteorite)とは?

ミゲイ隕石は、1978年にウクライナのミゲイ(Mighei)という場所で発見されたCM炭素質コンドライトの代表的な隕石です。この隕石がCMグループの基準となっているため、「Mighei-type」と呼ばれるようになりました。

この隕石の特徴としては:

  • 非常に暗い黒色の外観を持つ

  • 炭素や有機物を多く含む

  • 含水鉱物が豊富で、過去に水が存在していたことを示唆する

ミゲイ隕石の研究から、初期の太陽系には水が豊富にあり、有機分子が形成される環境があったことが示唆されています。これは、生命の起源を探る上でも非常に重要な手がかりとなります。


CM炭素質コンドライトはどれくらい貴重?

CM炭素質コンドライトは、一般的なコンドライト隕石と比べるとかなり希少です。実際、全隕石の中で炭素質コンドライトが占める割合は約5%程度で、その中でもCM型はさらに限られた存在です。

希少性が高いだけでなく、科学的な価値も非常に高いため、研究用やコレクション用の標本として人気があります。


スライス標本がおすすめ!

CM炭素質コンドライトの標本を購入するなら、スライス(薄切り)されたものを選ぶのがおすすめです。なぜなら:

  • 内部構造がよく見える:マトリックスやコンドリュールの分布が観察しやすい。

  • 水和鉱物や有機物の痕跡が分かる:単なる黒い石に見えても、スライスすると内部の微細な構造が見えてくる。

  • 表面が磨かれていて美しい:標本として飾るのにも適している。

ただし、スライス標本は価格が少し高めになることが多いので、購入時には注意が必要です。


まとめ

CM炭素質コンドライトは、水や有機物を多く含む隕石で、初期の太陽系の環境を知る手がかりとなる貴重な存在です。特に、ミゲイ隕石はこの分類の代表例として有名で、その研究から太陽系初期の水の存在や有機分子の形成が明らかになっています。

コレクション用としても非常に魅力的な隕石で、スライス標本ならその内部構造を楽しむことができます。もしCM隕石を手に入れる機会があれば、ぜひじっくりと観察してみてください!


CVコンドライト